「そこに人間の本質が潜んでいます、サー、貴方が日記を取って置くのは、貴方が、物事を思い出したいから。そうでなければ、何故それを取って置きます?」
「貴方はこれを見たの?」僕は尋ねた。
「私はその本質を確かめました、サー、それで、一つの記載から、彼女は慎重なタイプではない、と判断しました。」
「それは今年のものではないね。」僕は言った。「それは、二年も前のものです。」一瞬、彼は落胆させられた。
「それは僕の目的に適いますよ。」僕は言った。
「それは都合良く妙技をするに決まっています、サ―,もし何一つ償われなかったら。」
その日誌は、大判の会計簿に記載され、くだけた肉太の筆跡が、赤と青の線で横線を引いてあった。そこに日記の記載はなかったので、僕はパ―キスを安心させられた―「それは、何年もに亘っています。」
「何かが読むために、彼女にそれを外に持ち出させなければならなかった、と私は推測します。」それは可能か、僕はあれこれ思い巡らした。僕に関する、僕の出来事に関する或る記憶が、この当日、彼女の心を横切り、その何事かが、彼女の平和を乱したのかも知れない。僕はパ―キスに言った。「僕はこれを手に出来て嬉しい、実に嬉しい。貴方には分かるでしょう、僕たちは、今やっと、僕たちの勘定を締められる、と僕は心底思う。」
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